職務分掌とは?承認フローに落とすと不正とミスが減る理由

職務分掌とは?承認フローに落とすと不正とミスが減る理由

職務分掌とは何かを、ワークフローの承認設計の文脈で整理。同一人物が起票から承認まで進めるリスク、分離の基本、例外ルールの作り方までわかりやすく解説します。

職務分掌とは?承認フローに落とすと何が変わる?

職務分掌(しょくむぶんしょう)は、むずかしい言葉に見えますが、考え方は単純です。
「同じ人が全部できないようにして、牽制を効かせる」ということです。

ワークフローで言うと、典型は「起票した人が自分で承認できてしまう」状態。
便利に見える反面、内部統制や監査の観点で説明がしづらくなります。

先に結論:職務分掌は「起票」「承認」「支払(実行)」を分けると効果が出やすいです。

分けたい役割 同一人物だと起きる不安 ワークフローでの整え方
起票 自分に都合よく作れる 申請者ロールを定義
承認 自己承認で牽制が効かない 自己承認不可/上位者へ
実行(支払・発注) 承認と実行が同じで怖い 承認後に別担当へタスク化

ギフト:職務分掌は「性善説を疑う」ためではなく、ミスを起こしにくくするためにも効きます。

職務分掌がないと、なぜ説明が苦しくなる?

監査や社内チェックでよく聞かれるのがこれです。
「起票した本人が、そのまま承認していませんか?」

説明が苦しくなる典型

  • 自己承認ができる(牽制が効かない)
  • 同じ人が承認して、同じ人が発注/支払もできる
  • 権限付与の根拠(ロール/決裁規程)が残っていない

これを防ぐために、ワークフローで役割を分け、ログで説明できる形にします。

ワークフローでの実装:まず「自己承認不可」から

全部を厳密にしようとすると現場が重くなります。
最初の一歩として効果が出やすいのは、自己承認を不可にすることです。

ケース おすすめの扱い 理由
起票者=承認者 上位者へ回す 牽制を残す
小規模で上位者がいない 外部/別担当(経理)へ 第三者視点を入れる
緊急 例外入口で理由記録 例外を通常に混ぜない

ポイント:例外はゼロにならないので、例外は別入口で受けて理由を残す方が運用が安定します。

「承認後の実行」も分けると強くなる

購買なら発注、経費なら支払、契約なら締結…承認のあとに“実行”があります。
ここまで同じ人が握ると不安が増えるので、承認後に別担当へ渡す流れ(タスク化)にすると整います。

例:購買

  1. 申請(目的/金額/見積)
  2. 承認(ログが残る)
  3. 発注は別担当が実行(タスクで管理)

今日やること(Step1〜3)

  1. Step1:自己承認が起きうる申請を1つ洗い出す
  2. Step2:自己承認不可にして、上位者または別担当へ回す
  3. Step3:承認後の実行を別担当へ渡す流れ(タスク化)を作る

質問と回答

Q:小さい会社で分ける人がいない場合は?

A:全部を分けるのは難しいので、まずは「自己承認不可」だけでも入れるのがおすすめです。どうしても同一になりそうな時は、例外入口で理由を残して、後から説明できる形に寄せると安心です。

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